・針状ころ軸受はころの直径が比較的小さく、長さが直径に比べて長い針状のころ(直径6mm以下で長さが直径の3~10倍のころ)を用いた軸受で、断面高さが小さく、他の軸受と比較してスペースの割に大きなラジアル荷重が負荷できます。 ・剛性も高く、慣性力が小さく、ころ本数も多いので揺動運動にも適しています。 ・針状ころ軸受を使用することにより、機械装置の小形、軽量化が可能になります。また、薄肉のため滑り軸受から針状ころ軸受に置き換えることもできます。 ・針状ころ軸受には、多くの種類があります。以下にその主なものについて述べます。
・一般機械、自動車、電動機などに用いられます。
保持器付針状ころ (Needle roller and cage assemblies)
・ころ及び保持器で構成された針状ころ軸受の基本部品です。 ・内輪及び外輪を用いずに軸及びハウジングを直接軌道面とすることによって、装置をコンパクトに設計することが可能です。 ・単列及び複列の形式があります。
内輪なしシェル形針状ころ軸受 (Drawn cup needle roller bearings without inner ring)
・薄い鋼板から精密深絞り加工で製作した外輪に、針状ころ又は保持器付針状ころを組み込んだ構造で、針状ころ軸受としては、最も断面高さの小さい形式で、この軸受を 採用することによりスペースとコストを節減することができます。通常、内輪を用いず軸を直接軌道面にする設計が採られます。
ソリッド形針状ころ軸受 (Machined ring needle roller bearings)
・削り出しの外輪に保持器付針状ころを組み込んだ構造で、針状ころは外輪のつば又は側版で案内されます。保持器と針状ころは外輪から分離できません。 この軸受は内輪なし及び内輪付きがあります。